十二指腸潰瘍(Duodenal ulcer)
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十二指腸潰瘍(Duodenal ulcer)
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十二指腸潰瘍とは:
十二指腸は、胃に続いている臓器で胃と空腸の間にある筒状の臓器です。十二指腸には、胆汁と膵液が流れ出てくる胆管と膵管が十二指腸主乳頭とつながっており、重要な部位となっています。
十二指腸潰瘍は、十二指腸の粘膜が傷つき粘膜の下の粘膜下層という部位まで壁が深くえぐれる病気です。十二指腸潰瘍は、特に球部といって胃から十二指腸に入ったすぐの部位にできやすいです。比較的若い方に生じることが多く、症状としては腹部の違和感や空腹時の痛みなどがでます。潰瘍が進行すると、潰瘍部分から血管が飛び出して出血することがあります。その場合には、血を吐いてしまったり(吐血)、便が黒くなったりします(黒色便)。潰瘍がより深くなると穿孔といって十二指腸に穴が開いてしまい、腸管内の液体や内容物がお腹の中に流れ出てしまい腹膜炎といって重篤な状態になってしまいます。
十二指腸潰瘍の原因としては、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染や解熱鎮痛剤(非ステロイド性抗炎症薬)、喫煙などによるものが考えられ、このような場合に胃酸の分泌が強くなり十二指腸の粘膜が強く障害されることにより発症します。
十二指腸潰瘍が疑われる場合には、直接胃内視鏡検査が必要となります。内視鏡検査で十二指腸に潰瘍が認められた場合には組織を採取することもあります。潰瘍に血管が見られたり出血している場合には、内視鏡検査下での止血の処置が必要となります。クリップで血管を閉じたり、止血剤を撒いたりして止血を行います。
十二指腸潰瘍の治療は、胃薬であるプロトンポンプ阻害薬(PPI)やカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)の内服が必要です。ピロリ菌の感染がある場合は、ピロリ菌を除菌する必要があります。
上腹部の不快感や痛みなどがある場合には、十二指腸潰瘍の可能性もあります。一度専門外来にご相談ください。