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疾患名から調べる|浦和の内視鏡・消化器内科 - 浦和消化器内視鏡クリニック

十二指腸がん(Duodenal cancer)

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十二指腸がん(Duodenal cancer)

十二指腸がんとは:

十二指腸がんは、十二指腸という臓器にできるがんです。十二指腸は、胃と空腸の間にある臓器で全長25~30cmほどの短い消化管です。十二指腸は、球部・下行部・水平部・上行部の4つの区域に分かれています。下行部には、膵臓と肝臓から続く管が合流する部位でる十二指腸主乳頭が存在し、消化にとって必要である胆汁と膵液が十二指腸に流れてくる場所です。そのため人体にとって重要な臓器の一つとなっています。

十二指腸がんは、年間3千人程度が診断されるがんで、それほど多くはありません。十二指腸がんには、十二指腸主乳頭にできる乳頭部がんとそれ以外の場所にできる非乳頭部がんに分けられます。

十二指腸がんの症状は、初期であれば特に症状はありません。進行するとお腹の不快感や食事の通過障害などがでてきて食事を吐いたり体重が減ってきたりします。また腫瘍から出血する場合には、吐血や下血・血便などの症状もでます。乳頭部がんの場合には、胆汁の流れが悪くなるため黄疸でたり胆管炎などになることもあります。

十二指腸がんの診断は、初期の場合には偶然に内視鏡検査で発見されることがあります。進行した状態では、CTやMRIなどの画像検査で発見されることもあります。

十二指腸がんの治療は、主に内視鏡治療、外科治療、化学療法などがあります。早期の段階であれば内視鏡治療が選択されます。内視鏡治療は、以下の治療法となります

・内視鏡的粘膜切除術(EMR)

・内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)

の2つです。小さながんであればEMRで切除が可能です。EMRでは、病変の粘膜の下の粘膜下層に局注剤(生理食塩水もしくはヒアルロン酸)を局注針で注入して病変部を膨隆といって盛り上げます。膨隆した病変を金属製の輪っかで締め上げて電流を流して焼き切ります。一方、ESDは、同様に粘膜下層に局注剤を注入して電気メスで病変の粘膜下層を剥がして切り取って大きな病変を一度に取り除くという方法です。ただし、十二指腸は壁が非常に薄く血管や脂肪などの組織も多いことからESDでの切除は術後の合併症も多く、未だ標準的な治療法とはなっていないのが現状です。

進行した十二指腸がんに対しては外科治療が選択されます。外科治療は、膵頭十二指腸切除術が選択され開腹手術と腹腔鏡手術に分かれています。ほとんどが開腹手術で行われていますが、腹腔鏡手術を実施している施設も数は少ないですがあります。

十二指腸がんは、早期の段階で発見できれば内視鏡での治療で低侵襲で治療が可能ですが、ある程度進行した状態ですと外科治療となってしまいます。外科治療は、膵頭十二指腸切除術が選択されることが一般的ですので十二指腸と膵臓・胆管の一部の切除が必要となり、解剖学的にも高度な外科技術が必要とされる手術の一つですので大掛かりなものとなってしまいます。

定期的な胃内視鏡検査は、十二指腸も一緒に検査をするため節目節目での検査が予防にもつながると考えられます。内視鏡検査のご相談は、専門外来でいつでも可能です。


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