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大腸ポリペクトミー(Colonic polypectomy)

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大腸ポリペクトミー(Colonic polypectomy)

大腸ポリペクトミーとは:

大腸ポリペクトミーとは、正式には内視鏡的大腸ポリープ切除術といいます。

内視鏡を肛門から大腸に挿入し、大腸内視鏡検査の際に大腸ポリープが発見された場合にはポリープを内視鏡で直接切除します。切除の方法は、大きく3つに分かれています。

・Hot snare polypectomy (HSP)

・Cold snare polypectomy (CSP)

・Endoscopic mucosal resection (EMR)

の3つです。実際の現場では、ホット、コールド、EMR (イー・エム・アール)などと呼んでいます。3つの手技ともにスネアという金属製の細い輪を使ってポリープを切り取ります。ホットとEMRでは高周波を使用しスネアに電流を流してポリープを焼き切りますが、コールドでは電流を使用せずにスネアで病変を絞って切り取ってしまいます。EMRでは粘膜下層といって、大腸の壁の粘膜の下にある層に局注針という注射針で局注剤(生理食塩水またはヒアルロン酸など)を注入させます。そうするとポリープが膨隆し、スネアがポリープにかかり易くなります。最後に電流を流して切除します。

現在では、小さなポリープの場合にはコールドで切除することが多いです。大きな血管がポリープに存在することが想定される場合や大き目のポリープに関してはホットで切除します。平らで比較的大きいポリープに関してはEMRで切除することがあります。ホットとEMRで切除した場合には、切除した部位をクリップという処置具で縫縮(ほうしゅく)して切除した傷口を閉じます。電気を流して切除するため術後に熱がこもり腸管の壁に穴が開いたり出血を予防するために縫縮という処置をします。

コールドでの切除でしたら1~2分もあれば終了します。ホットやEMRでは、高周波の準備が必要となりますのでコールドより時間が少しかかります。さらにEMRでは、局注剤を局注針を使って粘膜下層に注入することが必要となるためさらに時間がかかります。

大腸ポリープを切除した場合には、術後に出血することがあります。抗血栓薬を内服している方・血圧が高い方・透析中の方・多数のポリープを一度に切除した方などは、出血しやすと考えられています。また、切除後にすぐに運動したり長風呂をした方なども出血してしまうこともあります。出血した場合には、再度大腸に内視鏡を挿入し出血した部位をクリップという処置具で血止めの処置が必要となります。場合によっては入院も必要となります。

ポリープ切除は当クリニックで可能でさほど時間がかかるものではありませんが、大きいポリープとなりますと入院での切除が必要となるため入院施設のある病院へご紹介することとなります。大腸ポリープ切除を希望される方で、並存疾患(高血圧・透析中など)ないし抗血栓薬(クロピドグレル・ワーファリンなど)を内服されている患者さんですと治療の制限があるため内服などの調節が必要となります。当クリニックの医師は抗血栓薬の取り扱いに慣れていますので、ご気軽にご相談ください。


  大腸ポリープ    ポリープ切除後   クリッピング縫縮

 

・Harada H, et al. Postpolypectomy bleeding of colorectal polyps in patients with continuous warfarin and short-term interruption of direct oral anticoagulants. Gastrointest Endosc. 2021; 93: 691-8.

・Harada H, et al. The effect of anticoagulants on delayed bleeding after colorectal endoscopic submucosal dissection. Surg Endosc. 2019; 34: 3330-7.

・Harada H, et al. Feasibility of gastric endoscopic submucosal dissection with continuous low-dose aspirin for patients with dual antiplatelet therapy. World J Gastroenterol. 2019; 25: 457-68.

・Harada H, et al. Continuous use of low-dose warfarin for gastric endoscopic submucosal dissection: a prospective study. Endosc Int Open 2017; 05: E348-53.