早期大腸がん(Early colorectal cancer)
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早期大腸がん(Early colorectal cancer)
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早期大腸がんとは:
早期の大腸がんは、大腸の粘膜ないし粘膜の下の層の粘膜下層の一部に癌がとどまるものを早期大腸癌といいます。早期大腸がんの正式な定義は、「リンパ節転移の可能性がほとんどなく、腫瘍が一括切除できる大きさと部位にある」です。このように早期大腸がんの場合は、リンパ節の転移がほとんどないことから外科的な治療を必要とせず、内視鏡での切除で治癒することができます。
早期大腸がんは、ほとんど症状がありません。なんらかのきっかけで大腸内視鏡検査を受けられて発見されることがほとんどです。まれに血便などの出血症状で検査を受けられ発見されることもあります。
早期大腸がんの治療は以下のようになります
・内視鏡的粘膜切除術(EMR:Endoscopic mucosal resection)
・内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD:Endoscopic submucosal dissection)
・外科手術(腹腔鏡手術 or 開腹手術)
ほとんどの早期大腸がんはEMRやESDといった内視鏡での治療がメインです。一部リンパ節への転移が疑われる症例などに関しては外科手術が選択されることがあります。内視鏡での治療は術後の痛みなどが無く入院期間も短いため低侵襲に治療を行うことができます。とくにESD法は、大きな病変や腸管の屈曲が強い部位でも病変の切除が可能であり有用な治療法となっています(下図2・内視鏡的粘膜下層剥離術:ESD)。当クリニックの医師が所属する病院でもESDを行っていますので、治療についてお気軽にご相談ください。
また、早期の大腸がんとして側方発育型腫瘍の非顆粒型(LST-NG)は、扁平な腫瘍で見逃しやすい病変の一つと言われています。LST-NGは、進行した浸潤癌が多いためより早期での発見・治療が望ましいと考えられています。丁寧な観察をすることで見逃し病変を最小限にすることが可能です。適切な観察時間は病変の発見率につながると報告されており、当クリニックでは見逃し病変を少なくするため近位大腸で4分以上・遠位大腸で3分以上かけて腸管内の観察をするよう心がけるようにしています。
図1.
早期大腸がん・通常観察 早期大腸がん・インジゴカルミン 早期大腸がん・NBI観察
図2.
上行結腸の早期大腸がん
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
病変切除後
病理画像:
病理診断:Colon cancer, 42×25mm, 0-Ⅰ+Ⅱa, tub1 in adenoma, ly0, v0, LM(-), VM(-), Tis(M)